溶接資格ぜんぶ並べてみた|難易度と取る順番

最終更新日: 2026-08-07

溶接の資格を調べ始めると、特別教育、技能講習、JIS、免許——似た名前がずらりと並んで、どれが必須でどれが任意なのか、どれから手を付ければいいのか分からなくなります。この記事では溶接に関わる主な資格を一枚の表に集約し、難易度と優先度で並べ直したうえで、「国家資格はどれか」「一番難しいのはどれか」「有効期限はあるのか」といった、比較の途中で必ず出てくる疑問にも順に答えます。

この記事の目次
  1. 一覧表
  2. 溶接資格に国家資格はある?JISは国家資格?
  3. 一番難しい溶接資格はどれ?
  4. 取る順番の基本形
  5. 半自動溶接の資格はどれを取ればいい?
  6. 溶接資格に有効期限はある?更新は必要?
  7. 未経験の人が最初に揃える3点セット
  8. 費用を抑える手も

一覧表

資格種別日数費用目安難易度
アーク溶接特別教育就業(必須)3日2万〜3.2万円低(落ちない)
ガス溶接技能講習就業(必須)2日1.2万〜2万円低(修了試験あり)
自由研削といし特別教育就業(併せて取る定番)1日8千〜1.2万円
技能者評価試験(基本級)技量試験1日2万〜3万円台
技能者評価試験(専門級)技量試験1日同上最難
ボイラー溶接士国家資格試験受験料等高(経験必須)
溶接管理技術者管理系試験受験料等高(筆記重い)

表を眺めると「種別」の欄に就業・技量・国家資格と異なる言葉が並んでいることに気づくはずです。まずこの区分の意味を整理しておきましょう。

溶接資格に国家資格はある?JISは国家資格?

あります。ただし「国家資格」の意味合いが資格ごとに違うので、そこを区別するのがこの分野を理解する近道です。

  • 労働安全衛生法に基づく法定資格:アーク溶接特別教育・ガス溶接技能講習がこれ。国の法律で「これを修了していないと業務に就けない」と定められた資格で、就業のための必須ライセンスです
  • 国家免許:ボイラー溶接士(普通・特別)。免許試験に合格して免許証が交付される、字義どおりの国家資格です
  • JIS溶接技能者評価試験:日本産業規格(JIS)に基づき日本溶接協会が実施する技量の評価資格。国家資格ではありませんが、官公庁工事や重要構造物の仕様書で保有が要求されることが多く、実務上の重みは国家資格級です
  • 溶接管理技術者:施工管理・品質管理側の民間資格。工場認証の要件になることがあり、キャリア後半で効きます

つまり「就業の入口は法定資格、腕の証明はJIS、管理側は管理技術者」という三層構造です。では、その中で最難関はどれなのでしょうか。

一番難しい溶接資格はどれ?

実技系ではJIS評価試験の専門級、とくに配管(管)のTIG溶接で裏波を出すTN-Pなどが最難関クラスとされ、筆記系では溶接管理技術者の特別級が最難関とされています。

難しさの質が資格によって違う点に注目してください。

  • 特別教育・技能講習:講習を受け切れば修了できる設計。難易度は「低」で、落とす試験ではありません
  • JIS基本級(下向):練習量がそのまま結果に出る実技試験。未経験からだと数か月の練習が必要ですが、現役の溶接工なら十分手が届きます
  • JIS専門級(立向・横向・上向・管):姿勢の制約が増えるほど難しくなり、とくに管の全姿勢溶接は熟練者でも落ちることがあります(実技対策の記事
  • ボイラー溶接士:実務経験が受験要件にあり、学科+実技の両方が課されます
  • 溶接管理技術者(特別級・1級):溶接冶金や設計まで問われる筆記中心の試験で、勉強時間の確保が最大の壁です

「難しい資格=先に取る資格」ではありません。難関資格はどれも実務経験と併走して取るものなので、順番はあくまで次の基本形どおりで大丈夫です。

取る順番の基本形

  1. アーク溶接特別教育:これがないと仕事に就けません。最優先(講習機関を探す
  2. ガス溶接技能講習:切断作業で必要になる場面が多い。セットで取る人が多数(こちら
  3. 自由研削といし:グラインダー作業に必須。1日で取れるので同時期に
  4. 就職後、技能者評価試験の基本級で腕前を証明(記事
  5. 専門級・材料別(ステンレスアルミ)へ拡張

この順番の中で、近年は半自動溶接の資格の存在感が急速に増しています。よく聞かれるので独立して答えておきます。

半自動溶接の資格はどれを取ればいい?

JIS評価試験の半自動溶接部門(SA-2Fなど)が事実上の標準です。工場の生産現場では半自動(CO2・MAG)が主力工法になっているため、「半自動の腕を証明できる資格」の求人価値は年々上がっています。

  • 記号の読み方はシンプルで、SA=半自動、2=板厚区分(中板)、F=下向を意味します。最初の目標として最も選ばれるのがこのSA-2Fです(SA-2Fの記事
  • 手溶接(被覆アーク)の評価試験(N-2Fなど)と部門が分かれているため、会社で使う工法に合わせて受験部門を選ぶのが鉄則です
  • 受験には事業所経由での申込みが一般的なので、就職後に会社と相談して受けるのが現実的なルートです(半自動資格の記事

そしてJIS系の資格を取ったら、必ず知っておくべきなのが「期限」の存在です。

溶接資格に有効期限はある?更新は必要?

特別教育・技能講習の修了資格に有効期限はありません。一方、JIS溶接技能者評価試験の適格性証明書には有効期限があり、1年ごとのサーベイランス(継続確認)と3年ごとの再評価・更新が必要です。ここを知らずに失効させる人が後を絶ちません。

  • 期限なし:アーク溶接特別教育、ガス溶接技能講習、自由研削といし特別教育。一度取れば生涯有効です(ただし長いブランク後は事業者による再教育が推奨されます)
  • 期限あり:JIS適格性証明書。継続手続きを忘れると失効し、再取得には試験からやり直しになります(有効期限の記事更新忘れの記事
  • ボイラー溶接士:免許自体の更新に加え、業務を続けるための定期的な要件が定められています

転職時に「JIS保有」と書くなら有効期限内であることが前提です。手帳やスマホのカレンダーに更新月を入れておくだけで防げる失点なので、取得したその日に登録しておきましょう。

未経験の人が最初に揃える3点セット

アーク溶接特別教育+ガス溶接技能講習+自由研削といし。この3つがあれば「現場に入れる人」になります。合計4〜5日、5万円前後。求人票の必須資格欄はほぼこれで埋まります(求人の見方の記事)。

3点セットの費用感が見えたら、最後に負担を軽くする方法も確認しておきましょう。

費用を抑える手も

会社負担・助成金・給付金が使える場合があります。順番に確認してから申し込みましょう(助成金の記事会社負担の記事)。

対応する教習機関

協会系公益社団法人 北海道労働基準協会連合会

会場:札幌市北区北7条西2丁目

ガス溶接技能講習を技能講習メニューとして実施。金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習も開催(北海道労働局登録教習機関)。年間予定表を公開し通年開催。

メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター

会場:札幌市(北広島インターチェンジ至近)

アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。

メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター

会場:北海道(屋内実技場を保有)

アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。

アーク溶接特別教育の教習機関一覧を見る

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