上向き溶接の攻略法

最終更新日: 2026-08-20

頭上で溶かした金属は、重力で落ちようとする——上向きは物理と戦う姿勢です。力技ではなく「落ちる前に固める」原理で攻略しましょう。

この記事の目次
  1. 原理:小さく溶かして早く固める
  2. 体勢と防護
  3. 練習の段階

原理:小さく溶かして早く固める

  • 溶融池が大きい=重い=落ちる。上向きの鉄則は溶融池を常に小さく保つこと
  • 電流はやや低め:下向きと同じ条件では池が育ちすぎる。表面張力で保持できるサイズに絞る
  • 運棒は短いピッチで:小刻みに進めて、池を引きずらない。半自動なら断続的なリズム運棒も有効
  • 棒・ワイヤの狙いは池の先端。溶けた池の中心に突っ込むと垂れを誘発する

姿勢別の全体像は姿勢の記事を。上向きはその最終関門です。

体勢と防護

  • 火の粉は必ず自分に降ってくる:革手袋・革前掛け・首元を塞ぐタオル・耳を覆う装備は上向きでは必須級(保護具の記事)。襟元から入るスパッタのやけどは上向きの定番労災(やけど対処の記事参照予定)
  • 真下に入らない:体を溶接線の真下から半歩ずらし、腕を伸ばして狙う。顔面の直下配置は火の粉の直撃コース
  • 無理な姿勢を我慢しない:腕が疲れた状態の上向きは危険と品質低下の両方。休みを入れる、可能なら部材を回して姿勢を変える(治具の記事参照予定)のが正しい判断

練習の段階

  • 1. 下向きでビードが安定していることが前提:(ビードの記事)。基礎が揺れているうちに上向きへ行かない
  • 2. 立向き→横向き→上向きの順:重力との角度を少しずつ変えて体に慣らす
  • 3. 上向きは点付けの連続から:いきなり連続ビードを狙わず、点付けつなぎ(薄板の記事と同じ技術)で「落とさない感覚」を掴む
  • JIS専門級(O・P)を狙う人は、試験姿勢での固定練習を(試験対策の記事)。上向きが打てる人材は現場価値が明確に上がる(キャリアの記事

上向きは「選ばれた人の技」ではなく、段階を踏めば届く技術。ここを越えると、現場での景色が変わります。

対応する教習機関

メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター

会場:札幌市(北広島インターチェンジ至近)

アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。

メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター

会場:北海道(屋内実技場を保有)

アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。

メーカー系コマツ教習所 北海道センタ

会場:北海道

アーク溶接等の業務に係る特別教育は3日間・受講料32,000円(テキスト代込)。ガス溶接技能講習は2日間・受講料26,000円(テキスト代込)。受講要件は特になし。

アーク溶接特別教育の教習機関一覧を見る

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