姿勢が変われば別の技術|4つの溶接姿勢
同じ溶接でも、姿勢が変わると難易度が跳ね上がります。資格の区分も姿勢で分かれているのはこのためです。
4つの姿勢と難易度
| 姿勢 | 状態 | 難易度 |
|---|---|---|
| 下向き(F) | 上から下に向かって溶接 | 低 最も易しい。重力が味方 |
| 横向き(H) | 横方向のビード | 中 溶融池が下に垂れる |
| 立向き(V) | 縦方向。上進・下進 | 高 垂れとの戦い |
| 上向き(O) | 下から見上げて溶接 | 最難 最難関。落ちてくる |
技能者評価試験では下向きが基本級、それ以外が専門級という位置づけ。専門級を持っていると評価が変わるのはこの難易度差ゆえです。
姿勢別のコツ
- 立向き上進:溶融池を凝視し、ウィービング(左右の振り)で溜まりを作らない。電流はやや低めに
- 立向き下進:速い。薄板向き。溶け込み不足に注意
- 横向き:トーチ角度を上向き気味にして垂れを抑える。多層の場合は下段から積む
- 上向き:電流を下げ、短いアーク長で素早く。防護(保護具)は最厳重に——落ちてくるスパッタが首や袖口に入ります
体勢づくりが半分
姿勢が難しくなるほど身体の支え方が効きます。肘や手首をどこかに預ける、呼吸を止めない、無理な体勢では溶接しない(足場を組み直す)。「無理な体勢で溶接しない」は品質の話であり安全の話でもあります(きつさの記事)。
練習の順番
下向き→横向き→立向き→上向き。飛ばさずに進めるのが結局早い。基礎はアーク溶接特別教育の実技から。仕事にしていくなら、姿勢を広げるほど単価も上がります(年収の記事)。
対応する教習機関
メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター
アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。
メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター
アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。
メーカー系コマツ教習所 北海道センタ
アーク溶接等の業務に係る特別教育は3日間・受講料32,000円(テキスト代込)。ガス溶接技能講習は2日間・受講料26,000円(テキスト代込)。受講要件は特になし。