薄板溶接の穴あき対策
薄板は溶接の難所。プロでも気を使う領域で、DIYの100V機ならなおさらです。「穴があく前に止める」技術を、原理から身につけましょう。
この記事の目次
なぜ穴があくのか
- 薄板は熱容量が小さく、母材が溶け落ちるまでの余裕時間が極端に短い。同じ場所に熱が溜まった瞬間に穴になる
- アークを出し続ける通常の溶接は「熱を溜め続ける」行為。薄板ではこの前提自体を変える必要がある
- 穴あきは腕の問題である前に入熱管理の問題。「下手だから」ではなく「熱が多いから」と捉えると対策が見える
穴をあけない3つの技術
- 1. 電流を下げ、ワイヤ・棒を細くする:薄板用の下限電流域+細径ワイヤ(0.6〜0.8mm)・細い棒で、そもそもの入熱を絞る(条件の記事)
- 2. 断続溶接(点付けつなぎ):「点付け→冷ます→少しずらして点付け」を繰り返し、点の連続でビードを作る。DIYの薄板攻略はほぼこれが正解。連続ビードへのこだわりを捨てる
- 3. 熱を逃がす:裏に銅板や厚い鉄板を当てる(バッキング)と熱が逃げて穴があきにくく、万一溶け落ちても裏当てが受けてくれる。銅は溶接材と付かないので当て金の定番
場面別の実践ヒント
- 薄板同士の突き合わせ:隙間を作らない(隙間=即穴あき)。板をぴったり合わせ、点付けで細かく仮止めしてから繋ぐ(仮付けの記事)
- 薄板と厚物の組み合わせ:狙いを厚物側に寄せ、アークの熱は厚物に、溶けた金属で薄板を拾う配分。均等に狙うと薄板側だけ溶け落ちる
- 錆びた薄板の補修:錆部は実際の板厚がさらに薄い。健全部まで削って確認してから(母材処理の記事参照予定)
- 車のボディ級(1mm以下)は専用機と技術の世界。DIY機での無理は禁物で、パネル接合は専門店へ
薄板を制すには「我慢の点付け」。急がば回れの積み重ねが、結局いちばん速くきれいに仕上がります。
対応する教習機関
メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター
アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。
メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター
アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。
メーカー系コマツ教習所 北海道センタ
アーク溶接等の業務に係る特別教育は3日間・受講料32,000円(テキスト代込)。ガス溶接技能講習は2日間・受講料26,000円(テキスト代込)。受講要件は特になし。