補修・肉盛り溶接の基本

最終更新日: 2026-08-20

溶接の醍醐味は「作る」だけでなく「直す」にもあります。農機具の割れ、建機の摩耗、門扉のサビ穴——捨てるはずのものが蘇る補修溶接の基本と、手を出してはいけない領域を整理します。

この記事の目次
  1. 割れの補修手順
  2. 摩耗部の肉盛り
  3. 直してよいもの・いけないもの

割れの補修手順

  • 1. 割れの端を止める:割れの両端にドリルで小穴(ストップホール)を開け、進行を止める。これを省くと補修後も割れが伸びる
  • 2. 開先を取る:割れに沿ってグラインダーでV溝を掘り、溶接が奥まで届く形を作る(開先の記事
  • 3. 清掃・母材確認:錆・油・塗装の除去(母材処理の記事)。鋳物か鋼材かの見極めもここで
  • 4. 溶接→仕上げ:歪みに配慮しつつ埋め、必要ならグラインダーで整形→防錆塗装
  • 鋳物(エンジン部品・古い機械枠)は難物:予熱・専用棒・徐冷が要る特殊領域で、安易な補修は再割れする。鋳物と分かったら専門家判断を

摩耗部の肉盛り

  • 肉盛り=痩せた部分に溶接金属を盛って寸法・機能を回復させる技術。建機の爪・刃先、シャフトの摩耗部、農機の摩耗部品が定番
  • 硬化肉盛り:耐摩耗性の高い専用棒で盛ると、元より長持ちする刃先が作れる。摩耗との戦いの現場(土木・農業・リサイクル)で重宝される技能
  • 盛りすぎは削る手間と熱歪みを増やす。「薄く数層」が基本(多層盛りの記事と同じ思想)
  • 回転部品・軸物は歪み・バランスがシビア。仕上げ加工(旋盤)前提の肉盛りは加工屋との連携仕事になる

直してよいもの・いけないもの

  • 直してよい:農機具・運搬具・門扉フェンス・棚や台などの一般構造物。DIY補修の主戦場(作品の記事
  • 資格・法規が絡む:ボイラー・圧力容器(ボイラー溶接士の領域。記事)、車のフレーム(車検・強度の問題)、建築構造材(構造計算と施工資格の世界)
  • 絶対にやらない:燃料タンク・ガス容器の補修(残留ガスで爆発の危険)、吊り具・チェーンフックの補修(破断=重大事故。交換一択)
  • 判断の軸は「壊れたら人が死ぬか」。死ぬものは直さず替える・プロに任せる(安全の記事

直せる腕は、現場でもDIYでも一目置かれる技能。安全の線引きとセットで、修理の引き出しを増やしてください。

対応する教習機関

メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター

会場:札幌市(北広島インターチェンジ至近)

アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。

メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター

会場:北海道(屋内実技場を保有)

アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。

メーカー系コマツ教習所 北海道センタ

会場:北海道

アーク溶接等の業務に係る特別教育は3日間・受講料32,000円(テキスト代込)。ガス溶接技能講習は2日間・受講料26,000円(テキスト代込)。受講要件は特になし。

アーク溶接特別教育の教習機関一覧を見る

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