ガス技能講習の学科対策
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ガス溶接技能講習の2日目、最後に待っているのが修了試験(学科)です。結論から言えば、講義をまじめに聞けば受かる試験です。とはいえ2日間の講義内容は幅広く、ノートを全部覚えるのは現実的ではありません。「ここだけは落とせない」3分野を先に知って講義の聞き方を変え、あわせて「合格率はどれくらいか」「過去問はあるのか」「落ちたらどうなるのか」という受講前の不安にも順に答えていきます。
ガス溶接技能講習の合格率は?落ちる人はいる?
合格率は公式には公表されていませんが、9割台後半とされるのが通例で、講義に全時間出席してまじめに聞いていた人が学科で落ちるケースはまれです。技能講習の修了試験は「受講者をふるい落とす」ためではなく、「講習内容が身についたかを確認する」ための試験だからです。
それでも修了できない人が一定数いるのは事実で、その原因はほぼ次の2つに集約されます。
- 欠席・遅刻:技能講習は全時間の受講が修了の前提です。試験の出来以前に、受講時間が足りないと修了試験を受けられません。実は「落ちる心配」より「休む心配」のほうが現実的なリスクです
- 講義を全く聞いていない:スマホを見て過ごし、講師が強調した箇所も記憶にない状態だと、さすがに6割の壁に届かないことがあります
つまり、2日間きちんと出席して講義を聞く——これが最大の試験対策です。そのうえで、どこが出やすいのかを知っておくと安心感が違います。出題の中心となる3分野を見ていきましょう。
出題の3分野と重点
- 1. ガスの知識(最重要):アセチレン・プロパン等の可燃性ガスと酸素の性質。アセチレンの自然発火性・逆火の危険、酸素が「燃焼を激しくする」性質(それ自体は燃えない)など、安全の根拠となる性質が問われる
- 2. 設備の取り扱い:容器(ボンベ)の色・刻印・保管、圧力調整器、逆火防止器、ホースの色分け(酸素=青系、アセチレン=赤系)。「色と役割の対応」は確実に出る
- 3. 法令:技能講習修了者の業務範囲、作業主任者、容器の取り扱い規制など。数字(保管温度40度以下など)を伴う規定に注意
講習の詳細はガス溶接技能講習の記事、当日の流れは当日の記事を参照。
3分野の地図が頭に入ったら、次は試験そのものの形式を知っておきましょう。形式が分かると、必要な勉強量も見えてきます。
学科試験の形式は?何問出て何点で合格?
択一式(マークシートまたは記号選択)の筆記試験で、合格基準は総得点の6割程度、かつ科目ごとに一定の得点を求める形が一般的です。問題数や試験時間は実施機関によって多少異なりますが、おおむね次のイメージです。
| 項目 | 一般的な内容 |
|---|---|
| 形式 | 択一式(3〜4択が中心) |
| 出題分野 | ガスの知識/設備の取り扱い/法令 |
| 合格基準 | 全体の6割程度(科目ごとの足切りあり) |
| 試験時間 | 講習最終日の最後に実施 |
| 結果 | 当日発表の機関が多く、合格で修了証交付へ |
注意したいのは「科目ごとの足切り」です。総合点が良くても、法令だけ極端に落とすと不合格になり得ます。苦手分野を作らず、3分野をまんべんなく聞いておくことが大切です。では、その勉強に過去問は使えるのでしょうか。
過去問はある?どうやって勉強すればいい?
技能講習の修了試験の問題は実施機関ごとに作られるため、公式の「過去問集」は原則として存在しません。ネット上の「過去問◯選」は受講者の記憶に基づく再現問題であり、参考にはなっても、あなたの受ける機関の出題と一致する保証はありません。
現実的な勉強法は次のとおりです。
- 配布テキストが唯一の公式教材:試験は講習で使ったテキストの範囲から出ます。市販の問題集を買い足す必要はありません
- 講義中のマーカーがそのまま予想問題:講師が「ここは大事」と繰り返した箇所を、昼休みと試験直前に見直すだけで合格ラインに届きます
- 再現問題を使うなら「分野の傾向をつかむ」用途に:ホースの色、容器の保管温度、酸素の性質など、どの機関でも共通して問われやすいテーマの確認には役立ちます
- 前日の予習は不要:予習するなら、アセチレンと酸素の基本的な性質をざっと眺めておく程度で十分です
要するに「講習の外」で頑張る試験ではなく、「講習の中」で完結する試験です。最後に、試験の位置づけと万一のときの扱いを確認しておきます。
覚え方のコツ
- 「なぜ危ないか」で覚える:丸暗記より、逆火→ホース内を炎が逆走→防止器が要る、のように因果で繋ぐと忘れない
- 色はセットで唱える:「酸素は青(ホース青系・容器は黒)、アセチレンは赤(ホース赤系・容器は褐色)」のように口ずさんで固定
- 講師の「ここ大事」は出る:技能講習の学科は講義との連動が強い。マーカー箇所を試験直前に見直すだけで大半をカバーできる
- 計算問題はほぼ出ないか基礎的。数字は「規制値の丸暗記」型が中心
学科の目処が立つと、今度は「実技のほうは大丈夫か」が気になってきます。こちらも先に全体像を知っておきましょう。
実技はどんな内容?学科より難しい?
ガス溶接技能講習の実技は「ガス溶接装置の取り扱い」が中心で、器具の点検→接続→点火→火炎の調整→消火→後片付けという一連の手順を、講師の指導のもとで行います。学科より難しいということはなく、手順どおり丁寧にやれば問題ありません。
実技でおさえるポイントは学科の知識とそのまま連動しています。
- 点火前の点検:ホースの接続、逆火防止器、圧力調整器の確認。学科で覚えた「なぜ要るか」を目の前の器具で確認できる時間です
- 点火・消火の順序:手順の順番には逆火や事故を防ぐ理由があります。「順番の理由」を意識すると、学科の復習にもなります
- 火炎の調整:アセチレンと酸素のバルブ操作で炎の状態を作る練習。うまくできなくても講師がその場で直してくれます
溶接経験ゼロで参加しても大丈夫な設計になっているので、身構える必要はありません。当日は動きやすい服装と革手袋などの指定持ち物を忘れずに(持ち物の記事)。
最後に、この試験全体の位置づけと、万一のときの扱いを整理しておきます。
試験の位置づけと落ちたとき
- 技能講習なので修了試験に合格して修了となる(特別教育との違いは落ちる?の記事)
- 合格基準は6割程度が目安で、講義を聞いていれば十分届く水準。万一の不合格でも補講・再試験の仕組みがある機関がほとんど
- 実技(ガス器具の取り扱い)は手順どおり丁寧にやれば問題ない。学科で学んだ「なぜ」を実技で確認する意識だと定着が速い
ガス溶接技能講習はアーク特別教育とセットで持つのが現場の標準装備(アークとガスの違いの記事)。2日間、安全の原理ごと持ち帰ってください。
対応する教習機関
協会系公益社団法人 北海道労働基準協会連合会
ガス溶接技能講習を技能講習メニューとして実施。金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習も開催(北海道労働局登録教習機関)。年間予定表を公開し通年開催。
メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター
アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。
メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター
アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。