アーク溶接とガス溶接の違い|どちらの資格が必要かの判断基準

アーク溶接とガス溶接は、熱源の作り方から資格の区分まで別物です。名前が似ているせいで混同されがちですが、現場で求められる場面がはっきり違うので、整理しておくと資格選びに迷いません。
熱源が違う
- アーク溶接: 電気のアーク放電で発生する熱を使います。高温で溶け込みが深く、鉄骨や厚板の接合に向きます
- ガス溶接: アセチレンなどの可燃性ガスと酸素の燃焼熱を使います。電源が不要で、切断や加熱に強みがあります
実務では、アークは「つける」、ガスは「切る」という役割分担になっていることが多いです。
資格の区分が違う
| アーク溶接 | ガス溶接 | |
|---|---|---|
| 区分 | 特別教育 | 技能講習(就業制限業務) |
| 時間 | 21時間 | 13時間 |
| 修了試験 | 必須ではない | あり |
| 実施できる機関 | 事業者も可 | 登録教習機関のみ |
ガス溶接のほうが時間は短いのに規制は厳しい、という関係になっています。可燃性ガスの取り扱いに危険が伴うためです。
どちらを先に取るべきか
就業先の作業内容で決めるのが基本ですが、迷った場合の目安はこうです。
- 製造業・鉄工所・プラント → アーク溶接から
- 解体・設備工事・スクラップ → ガス溶接から
- 建設現場全般 → 両方求められることが多く、順に取得
費用はガス溶接のほうが安く、日数も1日短いので、とりあえず1つ持っておきたいならガス溶接という選び方もあります。
両方取ると何が変わるか
金属を「切って、つける」の両方が自分で完結できるようになります。現場では加工の途中で切断が必要になる場面が頻繁にあるため、両方持っていると人に頼まずに作業を進められます。
同じ機関で両方を実施していることも多いので、日程をまとめて申し込むと効率的です。エリア別の一覧で、両方に対応している機関を確認できます。
対応する教習機関
協会系公益社団法人 北海道労働基準協会連合会
ガス溶接技能講習を技能講習メニューとして実施。金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習も開催(北海道労働局登録教習機関)。年間予定表を公開し通年開催。
メーカー系キャタピラー教習所 北海道教習センター
アーク溶接特別教育とガス溶接技能講習の両方を開催。フルハーネス型墜落制止用器具特別教育・職長安全衛生責任者教育も実施。外国語による講習を多数開催。
メーカー系コベルコ教習所 北海道教習センター
アーク溶接等特別教育は21時間(学科11時間+実技10時間)・受講資格の制限なし。ガス溶接技能講習は13時間(Vコース)、ベトナム語対応のV3コースは17時間。移動式クレーン・車両系以外の技能講習の実技を屋内で実施。